毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2000年スプリンターズステークス】を紹介します。
長く競馬に触れていると、思わず「アッ」と漏れてしまう瞬間に出くわすことがある。
2000年のスプリンターズステークスも、まさにアッと言わせる競馬だった。
主役はダイタクヤマト。
デビューは橋口調教師のもとだったが、そこで経験を重ねた石坂調教師が独立するのを機に、ダイタクヤマトも石坂調教師の管理下となった。
デビュー時はそこまで目立った活躍はなく、せいぜい条件クラスを走る馬だった。
そんなダイタクヤマトは2000年。6歳の時に伝説を残すことになる。
2000年のスプリンターズステークスに出走することになったダイタクヤマト。
この年のメンバーは非常に豪華で、海外スプリントを制したアグネスワールドや昨年の勝ち馬であるブラックホーク、さらには高松宮記念で悲願の初勝利を手にしたキングヘイローが参戦した。
このようなメンツのなかで、ダイタクヤマトは函館SSで2着に入線しただけの重賞未勝利馬だった。
結果、16頭立ての16番人気。
単勝オッズ257.5倍の断然不人気に支持されたのだ。
しかし、ここから伝説が空ける。
手綱を握るのは穴党でおなじみの江田照男騎手だ。
江田騎手の手綱さばきで2.3番手を確保したダイタクヤマトは、ノーマークの中自分の競馬に集中する。
コーナーでダイタクヤマトは動く。
先頭を走る馬が失速するのを見抜くと先頭に踊り立つ。
そして、そこから一気にスパートを仕掛けたのだ!
最後の直線で先頭に躍り出たダイタクヤマト。
そして、有力馬たちは――。
なんと、まだ後方にいたのだ!!
先頭で逃げ粘りを図るダイタクヤマトに人気のブラックホークとアグネスワールドが突っ込んでくるが、ダイタクヤマトは1馬身ほどのセーフティリードを保ってゴール!
初重賞がG1、それもしんがり人気でのG1勝利は89年のサンドピリアス以来、そしてこのあとも14年のコパノリッキーを最後、出ていない。
ミレニアムの年に伝説を残したダイタクヤマトはこの年のスワンステークスも制したことで、この年の最優秀短距離馬に選出されることになる。