ゼンノエルシドのデビュー戦は特異なものでした。
メンバー唯一の牝馬であるマルターズスパーブの姿に興奮し、勃起したのです。
興奮することを馬っ気を出すといいます。
興奮自体は良くある話ですが、ゼンノエルシドの興奮は収まることなくそのままレースに出走したのです。
馬っ気を出した状態でレースを勝つのは容易ではありませんが、ゼンノエルシドは興奮した状態でレースに勝ちました。
まさに”チン”レースといえますね。
ゼンノエルシドの新馬戦は多くの競馬ファンや関係者を笑かせました。
新馬戦以降、ゼンノエルシドが出走するレースでは
「男を魅せろ!ゼンノエルシド」
と書かれた横断幕が掲げられるようになります。
また、ゼンノエルシドに騎乗していた岡部幸雄騎手はレース後に
「いいものをもってるね」
とコメントされています。
チンレースで世間を騒がせたゼンノエルシドは、なんとその後マイルチャンピオンシップを勝利したことでG1馬になりました。
この勝ち星が認められ、競走馬引退後は種牡馬入りし、その突起物を活かしたのです。
産駒からは富士ステークスを制したマイネルシーガルがいます。
現在は功労馬として余生を過ごしています。