この日行われた障害レースでカラ馬事件が起きました。
最初のコーナーを飛越しようとしたタイタニアム騎乗の大江騎手が落馬してしまったのです。
障害レースで落馬は頻繁に起こります。タイタニアムは幸いにも無傷だったのですが、そのまま馬群と共にホームストレッチまで走ります。
新潟の障害2,850mはコースを2周します。
タイタニアムは最初の落馬のあとは馬群と共にホームストレッチまで走りましたが、そこでペースを落とし、馬群の群れから外れたのです。
各騎手はタイタニアムが馬群から離れると自分の競馬に集中することができました。
全頭飛越を問題なくこなし、最後のコーナーで各馬がしのぎを削ります。
スピードを上げたまま最後の直線に入り、最後の飛越を超えたところで観客がざわつきます。
その直後、実況の白川アナが
「まえからタイタニアムがくる」
と叫びます。
1周目のホームストレッチで馬群から離れたタイタニアムが前から各馬に接近したのです!
「危ないですから(馬たちは)内に入ってください!」
白川アナは騎手に聞こえるかのように、実況放送中に注意喚起を呼びかけます。
幸いにもタイタニアムが外目から前を走っていたので各馬は内に潜り込むことで回避し、大事に至りませんでした。
前からタイタニアムが向かったために第三次未遂となりました。
幸いにもだれも怪我しなかったのが幸いです。
ただし、タイタニアムは次走に挑んだ障害レースにおいても飛越を失敗し、落馬しました。
このときタイタニアムは打ち所が悪くて左上腕骨を骨折し、予後不良となってしまったのです。
良くも悪くも競馬史に名前を残したタイタニアム。
タイタニアムの名前はファンに語り継がれることでしょう。