毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2010年 オークス(G1)】を紹介します。
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競馬はときどき人々が全く予想だにしないような出来事が起きる。
それは、悪い出来事かもしれないし、よい出来事かもしれない。
今回は、いまから12年前に起きた”よい出来事”、それも後世につたえたいエピソードを紹介しようと思う。
2010年5月23日 オークス。
牝馬クラシックの第2戦としての位置づけをされているオークスは、中距離最強牝馬を決める決定戦ともいえよう。
主に桜花賞に出走した馬が参戦するが、忘れな草賞やフローラステークスから挑む馬も多数いる。
この年のオークスで1番人気を背負ったのは桜花賞を制したアパパネだ。アパパネのちに繁殖牝馬入りし、仔のアカイトリノムスメは2021年の秋華賞を制している。
アパパネは8枠の17番に入った。そしてアパパネよりも外枠に入ったのがこの年のフローラステークスを制したサンテミリオンだった。
8枠の2頭はともに中団よりも後ろで競馬を行う。
そして、最後、府中の長い直線を雨の中突っ走る2頭。先行集団をあっさりかわしたものの、2頭はたたき合いとなり、そのままゴールインしたのだ。
極めて微妙な着差だったため、アパパネ騎乗の蛯名正義騎手、そしてサンテミリオン騎乗の横山典弘騎手はウイニングランを行わずに検量室に向かう。
そして…。
12分にもわたる審議ランプが確定に変わった。
結果は
17-18 同着
だった。
JRAG1史上初となる同着は、多くのファンを驚かせ、競馬関係者も声を漏らす結果となったのだ。
勝利インタビューでは横山騎手と蛯名騎手がハグを交わし、なんとも微笑ましいインタビューだった。
G1同着は滅多に行われないが、その分、この年のオークスは多くの人々の脳裏に焼き付かせたのだった。