毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2020年 中山グランドジャンプ】を紹介します。
2020年から大流行した新型コロナウイルスは競馬界にも多大な影響を及ぼした。
2020年の春のG1は無観客で開かれることも多く、無音と静寂が広がる中でG1レースが行われたのだ。
しかし、レースには必ずドラマがある。この年はコントレイルとデアリングタクトという無敗の三冠馬が2頭も誕生し、アーモンドアイがG1タイトルを9つも手にした年で、本来なら盛り上がっていてもおかしくはないのだ。
そして、これらのレースの影に埋もれがちだが、この年の中山グランドジャンプでも前人未踏の記録が達成された。
障害絶対王者であるオジュウチョウサンが、中山グランドジャンプにおいて、史上初の5連覇を成し遂げたのだ。
しかし、この年の中山グランドジャンプは素直に喜べるものではなかった。前日の大雨がレース開催時間まで尾を引き、不良馬場で開催されたため、多くの馬が体力を消耗しながら飛越を行った。
もちろん、オジュウチョウサンも例外ではなく、舌を出しながら走る9歳馬の姿に多くの競馬ファンは応援と同じくらい、心配したものだ。
そして、悲劇は訪れる。
前年の中山大障害を制したシングンマイケルがふらふらになりながら最後の障害を飛び超えたのだが、頭から着地し、そのまま息を引き取ったのだ。
オジュウチョウサンは無事に完走し、5連覇という偉業を成し遂げたものの、馬場の悪い中で開催したために、競走中止になった馬が3頭もいたことを決して忘れてはいけない。