毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2001年グランドナショナル】を紹介します。
グランドナショナルという言葉を聞いたことがあるだろうか。
一言でいうと、イギリスで開催される世界一過酷な障害レースである。
どれだけ過酷なのか、まずコースの長さが34ハロンある。1ハロンが約200mなので、6,800mの距離を走る舞台なのだ。国内で開催されるステイヤーレースの天皇賞(春)が3,200mで、中山大障害が4,250mなので比較にならないくらい長い。
距離が長いということは、それだけ障害を越える必要があるのだが、コース上に設置された障害の数はなんと30もある。中山大障害が11なので数字を見ただけで過酷さが分かる。
距離も飛越数も半端じゃないので、落馬や競走中止する馬も枚挙にいとまがない。出走可能頭数は最大40頭だが完走する馬は10頭を切ることも珍しくないのだ。
しかしながら、イギリスではもっとも人気のレースで、G3レースながらもイギリスダービーや障害G1のチェルトナムゴールドカップチェイスよりも馬券が売れ、日本の有馬記念よりも売上が勝る年もあった。
そんなグランドナショナルは当然ながら事故率も高い。特に悲惨だったのが2001年だ。
この年のグランドナショナルでは、最初の飛越で落馬した空馬がスタートから5つめの障害の前で急に内ラチを横切ったのだ。
各馬は飛越を行う眼前で空馬が横切ったので多くの騎手が接触し、この飛越直前だけで9頭もの馬が落馬する事態となった。
結局この年のグランドナショナルは40頭中、落馬せずに完走できたのはわずか2頭。走り切るだけでも賞賛を値したくなるようなレースとなった。
世界中で開催されるレースの中でもグランドナショナルほどハードなレースはないだろう。
100年以上も開催されるグランドナショナルでどのような伝説が生まれるか、注目したい。