長い競馬史の中にはいくつかの事件が発生しますが、変わった事件もなかにはあります。 今回は、短期免許で来日したP(ピエールシャルル)・ブドー騎手が過去に靴(ブーツ)を履かずにレースに出走したことで戒告処分を受けた事件について、まとめました。
1992年にフランスで生まれた騎手で、20代ながらも数多くのG1レースで活躍している新進気鋭の騎手です。 フランスでデビューし、またたくまにリーディング上位に君臨すると、オリビエ・ペリエ騎手の後継者という高い評価を受けるに至ります。 実際に数多くのG1タイトルも収めていて、2019年の凱旋門賞を制したヴァルトガイストに騎乗したのはこのブドー騎手でした。
2014年の秋に短期免許で来日したブドー騎手は減量がうまくいかなかったようです。 2014年の11月15日の東京6レースにおいて、規定されていた斤量よりも100グラムほど身体が重かったブドー騎手は、履いていたブーツを脱いで斤量をクリアし、そのままレースに挑みました。 12番人気だったノワールギャルソンをその手綱さばきで2位にまで持っていきましたが、レース後に靴下でレースに挑んでいたことが判明します。 JRAでは靴を脱いで騎乗することに関しては罰則を設けていませんでしたが、安全面を考慮すると靴を脱いで競馬をするのは危険ということで、戒告を行いました。
この出来事は珍時ということで多くの競馬関係者、競馬ファンに広まりました。 ブドー騎手はもともとこの年の暮れまで騎乗予定でしたが、体重調整はこの後も苦労されていたようで、結局は任期満了することなく、12月の頭に帰国されました。 その後、日本には来日されていません。
競馬史に残る珍事件として、いまも語り継がれている事件です。 靴を脱いで騎乗するという発想が外国の方らしいですね。 ブドー騎手はその後は母国に残って騎手として活躍され、記事の中でも紹介したように凱旋門賞のタイトルも手にしました。 当分日本で競馬を行うことはないでしょうが、異国の地で日本馬が、そして日本人騎手がブドー騎手と鉢合わせする機会はまだまだあるでしょう。