毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2012年阪神大賞典】を紹介します。
これほどまでに面白いレースは存在するのだろうか…?
2012年の阪神大賞典。
天皇賞(春)を見据えたレースに出走したのは前年の三冠馬であるオルフェーヴルだ。
オルフェーヴルはクラシック三冠を成し遂げたものの、その気性面の荒さから、ディープインパクトとは全くタイプの違う三冠馬として認知されていた。
そして、その気性面が露骨に反映されたのがコースを一周半走る芝3000mの阪神大賞典だった。
スタートは向こう正面から走る。
オルフェーヴルは差し馬なので後方から競馬をしていたのだが、最初のホームストレッチを通過する辺りで徐々に進出を開始し、向こう正面で先頭に立ったのだ。
おそらくオルフェーヴルは距離を見誤っていたのだろう。2度目の向こう正面のある地点でいきなり失速するオルフェーヴル。<
前年の三冠馬が故障したのか?多くの競馬ファンは動揺した。
事実、失速したオルフェーヴルはあっという間に最後方に位置を下げてしまったのだ。
しかし、オルフェーヴルはレースを終えたと思ったのだろう。まだレースが続いているのを知ったオルフェーヴルは一度ペースを落としながらも再び巻き返しを開始する。
観客も、競馬関係者も、競馬中継者までもが動揺を隠しきれないまま、一頭オルフェーヴルは差し返しにはかったのだ。
最終的には2着に敗れはしたものの、一度失速してからの巻き返しは多くの競馬ファンの心を打ち、競馬を普段取り上げないメディアまで、このレースを取り上げるほどだった。
ちなみに、このレースのあとに挑んだ天皇賞(春)は大敗している。
しかし、気分屋でもあるオルフェーヴルのことだから、仕方がないと納得したファンも多いらしい。
その気性の荒さのため、馬券成績にムラはあったものの、ファンに愛された三冠馬だったのだ。