毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2017年 オレノココロのばんえい記念】を紹介します。
競馬の主役といったたらサラブレッドのイメージがあるが、実は、日本にはサラブレッド以外の種が走る競馬場もある。
北海道帯広市にある帯広競馬場は通称ばんえい競馬場と呼ばれる。
ここは、世界で唯一、ばん馬が主役の競馬場だ。
ばん馬とは明治から昭和初期にかけて農耕馬として活躍した馬のことだ。
農業の機械化によって急速に生産数を減らしたが、開拓期に大いに活躍したばん馬を別の形で活躍するべく、設けられたのがばんえい競馬場である。
話はそれたが、ばんえい競馬にも歴史に刻むようなレースが存在する。
それが2017年のばんえい記念だ。
ばんえい記念はファン投票で出走馬が決まるレースで、中央競馬でいう有馬記念に似ているレースだ。
しかし、有馬記念と違うのは、このレースだけ斤量(ソリ)の設定重量が重く設定されていることで、ばんえい競馬のすべてのレースのなかでも最も重い1トンのソリを曳いて開催される。
しかも、この年の馬場は馬場水分0.6%と、非常に完走していて時計のかかる条件で開催されたのだ。
どの馬も普段曳かないソリの重さに四苦八苦し、道中、また最後の坂で立ち止まることもしばしばあった。
人気を背負ったオレノココロもその内の一頭で、上り坂を上るのに苦労している。
そのあいだにも各馬が最後の山をのぼり、ゴールを目指していたのだが、後方から山を登り切ったオレノココロはそこから猛烈なスパートをかける。
障害を上ったことで息を切らすほかの馬を差し置いて、一頭だけグングンとゴールを駆け抜け、後続を突き放して堂々とゴールしたのだ。
ばんえい競馬ではあまり見られない追い込み競馬に、競馬場に脚を運んだばんえいファンも歓喜したのである。
どうしても競馬というと目の前を総会に駆け抜けるサラブレッドの印象が強いが、日本には全く違ったスタイルの競馬もあり、そこでも多くのドラマが生まれている。
アクセスは容易ではないが、気になる方はぜひ一度帯広競馬場に足を運んでもらいたい。