馬券を購入している方にはいうまでもありませんが、競馬は全通り購入できます。
全通り購入とは、レースの全ての組み合わせを購入することです。単勝なら全ての馬の単勝を、三連単であれば全ての組み合わせを購入するのが全通りです。
しかし、ほとんどの方は全通り購入をしません。なぜなら、儲からないからです。
では、本当に全通り購入は儲からないのでしょうか?
ここでは、過去のレースを基に、全通り購入がどれほどの収支になるのか検証してみます。
早速検証してみます。
対象はエフフォーリアが古馬を倒した2021年の天皇賞(秋)の東京競馬場の全レースです。
出走数の数だけ単勝を100円ずつ購入した場合、収支はどのようになるのでしょうか。
レース 出走頭数 投資金額(頭数×100円) 1着馬の払戻金額 収支
1R 15頭 1,500円 1,200円 -300円
2R 11頭 1,100円 310円 -790円
3R 12頭 1,200円 660円 -540円
4R 16頭 1,600円 1,300円 -300円
5R 11頭 1,100円 520円 -580円
6R 17頭 1,700円 650円 -1,050円
7R 13頭 1,300円 360円 -940円
8R 8頭 800円 230円 -570円
9R 8頭 ,00円 150円 -650円
10R 16頭 1,600円 1,070円 -530円
11R 16頭 1,600円 340円 -1,260円
12R 16頭 1,600円 280円 -1,320円
なんと、全てのレースで赤字終始となりました。
投資金額累計15,900円に対し、8,830円の赤字で、回収率は55.5%ほどでした。
もし、荒れやすいレースを全通り購入した場合はどうなるでしょうか。
夏競馬
雨
函館競馬
という荒れやすい要素が揃った2021年の7月10日の函館競馬で検証します。
レース 出走頭数 投資金額(頭数×100円) 1着馬の払戻金額 収支
1R 12頭 1,200円 610円 -590円
2R 16頭 1,600円 3,650円 +2,050円
3R 16頭 1,600円 370円 -1,230円
4R 14頭 1,400円 1,390円 -10円
5R 12頭 1,200円 2,760円 +1,560円
6R 12頭 1,200円 210円 -990円
7R 16頭 1,600円 650円 -950円
8R 14頭 1,400円 820円 -580円
9R 14頭 1,400円 680円 -720円
10R 9頭 900円 180円 -720円
11R 16頭 1,600円 430円 -1,170円
12R 13頭 1,200円 360円 -840円
投資金額16,400円に対し、払戻はマイナス4,190円でした。
荒れやすいイメージのある夏競馬でも全通りでは赤字になる傾向が強いです。
有馬記念は一年の締めくくりともいえるレースで、競馬に興味のない人でも馬券を購入するほどです。
もし、過去10年(2011~2020)の有馬記念を三連単全通り(1点100円)で購入した場合、収支はどうなるでしょうか。
ちなみに三連単の組み合わせは
出走頭数×出走頭数(-1)×出走頭数(-2)
で決まるので、有馬記念の出走馬が16頭の場合は
16×15×14=3340通り
一口100円でも336,000円必要です。
年度 出走頭数 投資金額 三連単の払戻 収支
2011 14頭 218,400円 78,260円 -140,140円
2012 14頭 218,400円 24,250円 -194,150円
2013 16頭 336,000円 5,240円 -330,760円
2014 16頭 336,000円 109,590円 -226,410円
2015 16頭 336,000円 125,870円 -210,130円
2016 16頭 336,000円 3,940円 -332,060円
2017 16頭 336,000円 25,040円 -310,960円
2018 16頭 336,000円 25,340円 -310,660円
2019 16頭 336,000円 57,860円 -278,140円
2020 16頭 336,000円 50,150円 -285,850円
有馬記念の三連単で全通り購入すると、いずれの年もマイナス収支になりました。
全通り購入は的中率だけなら100%になりますが、ほとんどのケースでトリガミになってしまいます。
そのため、ほとんどの馬券購入者が全通り購入をしないのです。
予想の際は買い目を絞って予想することが馬券収支で大切なんですね。