今週の日曜は「ハードボイルド競馬レポート」!
競馬における珍事件や仰天エピソードを紹介いたします。
現在、日本のみならず世界中で流行している新型コロナウイルス。
人に影響を与えるもので、競走馬がコロナウイルスにかかることはありません。
しかし、馬が感染する馬インフルエンザが存在するのは意外と知られていません。
馬インフルエンザがどういうものであるか、紹介していきます。
馬から馬に観戦する伝染病です。
発症すると咳や発熱がでます。
感染力こそ高いものの、致死率は低いです。このあたりは新型コロナウイルスと類似するものがあります。
なお、馬インフルエンザは人が感染することはありません。
日本競馬においてもっとも影響があったのは1971年の12月です。ニュージーランドから乗馬用に輸入された馬が馬インフルエンザに感染していました。
この馬が競馬場のある東京や福島県に導入されると、またたくまに感染が広がります。
この当時は日本で馬インフルエンザに対する予防が確立されていなかったので猛威を振るいました。
はじめて感染が確認された競馬場は地方の川崎で、その後、南関東4大馬場のみならず、東京や中山といった中央競馬にも影響を及ぼしました。
感染の影響を恐れて、多くのレースで出走取消が相次ぎ、年末に開催される有馬記念においても多くの出走馬が出走を断念。結局、1971年の有馬記念はわずか6頭立ての開催となりました。
新型コロナウイルスと同じく、ワクチンの接種が馬インフルエンザの予防にもっとも効果的でした。
12月の暮れに馬インフルエンザのワクチンが輸入されたことで、馬インフルエンザは収まりました。
しかし、翌年以降のレーシングカレンダーに大幅な修正が求められ、皐月賞が5月下旬、日本ダービーは7月開催となりました。
天皇賞(秋)を勝ったメジロアサマも馬インフルエンザの予防を受けた一頭です。
引退後、種牡馬になりましたが、馬インフルエンザワクチンの副作用で、受胎率の低さに悩まされました。
しかし、オーナーの努力の末、わずかながら生誕した産駒の一頭が、父と同じく天皇賞(秋)を制することになるメジロティターンです。
そして、メジロティターンは名ステイヤーのメジロマックイーンを輩出。さらにメジロマックイーンは母の父としても活躍し、オルフェーヴルやゴールドシップにメジロ一族に血が継がれたのです。
新型コロナウイルスと同じで一度感染したら猛威を振るう馬インフルエンザ。
2007年にも再流行しましたが、このときはワクチンの供給にくわえて、移動の制限を徹底的に行ったことで、自然と消滅したそうです。
滅多に起きるものではないですが、仮に起きたらレースの縮小や中止にもつながるので恐ろしいですよね。
感染拡大に気を付けながら、競馬を楽しみましょうね。