毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2010年・2011年のエリザベス女王杯】を紹介します。
競馬発祥の地イギリスから来日した雪の妖精、スノーフェアリーは2010年・そして2011年のエリザベス女王杯を制した馬だ。
今回はスノーフェアリーがどのような馬だったのか、スポットを当ててみる。
スノーフェアリーは2007年にアイルランドに生まれ、2009年にイギリスでデビューした。
しかし、血統背景が地味だったことから、セリ市では約23万円で生産者の買戻しになり、全くといっていいほど評価されていない。
現にデビューした2009年は6戦1勝と、のちのG1馬らしからぬ結果だったのだ。
しかし、翌2010年にリステッド競走を制すると、続くイギリスオークスを後方からの直線一気で快勝し、続くアイルランドオークスにいたっては8馬身差で完勝した。
古馬になって覚醒したラブリーデイを彷彿させるような活躍を見せたスノーフェアリーは、その後もG1前線で健闘し、その秋には京都で開催されるエリザベス女王杯に登録されたのだ。
さて、競馬に精進している人なら分かると思うが、欧州の馬場と日本の馬場はまるで違う。欧州は力の要る馬場であるが、日本の馬場は時計の出やすいスピード馬場だ。
そのため、スノーフェアリー来日を必ずしも高く評価する人はいなかった。
しかし、いざレースの幕が開けると、京都巧者のメイショウベルーガをあざ笑うかのような末脚でスノーフェアリーは勝利した。
次走に挑んだ香港カップも快勝し、翌年のエリザベス女王杯においてもアヴェンチュラや三冠牝馬のアパパネを蹴散らして勝利し、連覇を成し遂げたのだ。
凱旋門賞やエリザベス女王杯をはじめ、各国の国際レースでしのぎを削ったスノーフェアリーの最終的な獲得賞金額は約5億8000万にものぼる。
セリの買戻し価格の2500倍以上の金額を稼いだのだ。
海外馬の情報は日本人にとっては馴染みは薄い。
最近ならミッキーロケットに最後の最後まで猛追した香港のワーザーが印象的だろうか。
しかし、伏兵扱いされながらもエリザベス女王杯2連覇を成し遂げたスノーフェアリーの存在は、多くの競馬ファンに焼き付いているだろう。
名前に反して、熱い戦いを繰り広げたスノーフェアリーは現在、故郷のアイルランドで繁殖牝馬入りしている。
偉大な母のように、大舞台で活躍する産駒を輩出することを願うばかりである。