毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
【2018年のジャパンカップ】を紹介します。
ホーリックスがオグリキャップとの接戦を制した1989年のジャパンカップから30年後、ワールドレコードが更新されたのが2018年のジャパンカップだ。
主役はアーモンドアイ。
その年のシンザン記念では稍重馬場をものともしない後方一気で同期の牡馬を蹴散らすと、続く桜花賞、オークス、そして最後の一冠をかけた秋華賞も追い込み競馬で勝利。
牝馬三冠を成し遂げたアーモンドアイは早々に次走をジャパンカップを定めた。3歳の牝馬が古馬相手に勝負を挑んだのだ。
この年のジャパンカップはグランプリホースのサトノダイヤモンドをはじめ、ダービー2着のスワーヴリチャード、菊花賞馬キセキ、前年のジャパンカップを制したシュヴァルグランといった蒼々たるメンバーが集まったのだが、アーモンドアイはそれまでのパフォーマンスから単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された。
レースがスタートする。最内枠を引いたアーモンドアイがとった戦法は従来とは打って変わって先行競馬だった。逃げに脚質転換したキセキの番手でコースロスなく競馬をしていた。
展開が変わったのは残り6ハロンあたりからだ。逃げたキセキが1ハロン当たり11秒台のペースで加速し始めたのだ。
しかし、アーモンドアイは全く動じない。むしろ、それに応えるかのようにアーモンドアイもペースをあげ始めた。
1ハロン11秒台のラップで後続を振り切るキセキとアーモンドアイ。上がり6Fのタイム1.08秒9は短距離レースに匹敵するラップである。
そして直線。各馬がムチをふるう中、アーモンドアイだけは余裕の手ごたえだった。直線で逃げるキセキをあっさり捉えると、そのまま後続を突き放して完勝してしまったのだ。
牝馬三冠を成し遂げたアーモンドアイの力強いに観客は沸いた。
そして歓声はどよめきにかわる。
レース直後に表示されたタイムは
2.20.6
それまでのレコードを1.5秒も更新したのだ。このタイムは世界で誰も達成したことがないワールドレコードとなった。
アーモンドアイは牝馬三冠を成し遂げた上に、世界レコードを樹立したことで、この年の年度代表馬に表彰された。
その後もアーモンドアイを中心に競馬は旺盛を極める。そして、この2年後にアーモンドアイは、世界レコードを叩き出した舞台で、後輩三冠馬ホースと激突するのだが、そのお話は次週行おうと思う。