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ポケうまコラム
2002年菊花賞
2021-10-18

毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
ヒシミラクルが奇跡を起こした【2002年菊花賞】を紹介します。

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ダントツの一番人気の馬は、必ずマークされる。他の馬の目標にされ、時には囲まれて身動きが取れなくなることもある。騎手たちもその馬の脚質や展開を想定してレースのプランニングを綿密に行う。

 それでも、ダントツの一番人気が突然いなくなることがあったら?
 目標とする馬が忽然と姿を消したら?

 そんなありえないことが、2002年の菊花賞で起こった。
 この年のダービー馬タニノギムレットは故障で引退、ダービー2着馬シンボリクリスエスは天皇賞へ向かい、押し出されるように2.5倍の一番人気に支持されたのが皐月賞馬ノーリーズンだった。
 2番手以降は混戦気配となり人気の無い馬も色気づくなか、スタートが切られた瞬間、ノーリーズンが落馬した。
 天才、武豊とはいえ大きくジャンプし体勢を崩した馬に跨り続けることは出来ず、こらえて手綱を握り続けるもあえなく落下した。
 この瞬間、菊花賞の売り上げ227億円中110億円が紙くずとなり、観客からは大きなどよめきがあがった。

 しかし、混乱したのは観客だけではない。ノーリーズンを中心にレースを展開しようとした騎手たちにも大きな動揺を与えた。
 いち早く反応したのがローエングリンに騎乗していた東の雄、岡部騎手。
スタートダッシュを決めたダイタクフラッグの逃げを許さず、他馬を離して先頭争いを繰り広げる。  しかし、長距離レースらしくペースは落ち着いてくる。果敢に逃げたローエングリンが息を入れるためにペースを落としたのだ。

 馬群は急速に縮まるが、誰も動かない。ゆったりとした流れで互いにけん制し続ける。もしノーリーズンが落馬していなければ、彼の動きに合わせて展開が決まっていただろう。
マークする相手がいなくなったことで、レースの展開に大きな隙が生まれた。

 その隙を見逃さなかったのが、10番人気、角田騎手騎乗のヒシミラクルだ。坂を下り始めると一気に加速してまくっていき、大外を回りながら先頭集団で直線を迎えた。

 経済コースを回っていた内のメガスターダムとの叩き合いを制し、最後に猛然と追い込んできたファストタテヤマを抑え1着のゴールイン。

 1番人気が落馬する中で、10番人気のヒシミラクルが一着、16番人気のファストタテヤマが二着と馬連が九万円を超える大波乱。
急に主役がいなくなったレースで見事な代役を演じきった。

 誰もが想像しなかった展開で、まっさきに自分のレースを仕掛けたヒシミラクル。どよめきのなか冷静に判断して生まれた、稀に見る名レースだ。

実際のレース映像はこちら

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