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ポケうまコラム
1998年の毎日王冠
2021-10-04

毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
幾多もの名馬の明暗を分けた【1998年の毎日王冠】を紹介します。

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1998年10月11日、東京競馬場には13万人を越えるファンが押し寄せた。GⅠレースが開催されるわけではなかった。ただ、GⅠと呼んでも差し支えの無いメンバーが揃っていた。これが後に『伝説の毎日王冠』と呼ばれることを、この場にいた誰もが疑わなかっただろう。
 1.4倍の大本命は同年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカ。逃亡者の異名の通り逃げてそのまま差を拡げて勝つ圧倒的なパフォーマンスで古馬になってから5戦5勝。
特に1.8秒の大差をつけた金鯱賞は圧巻で、その強さとスタイルから多くのファンを虜にした。

   そして若きエース、エルコンドルパサー。外国産馬のためクラシックには出走できなかったが、NHKマイルを完勝。ここまで5戦5勝とパーフェクトだったが、毎日王冠では5.3倍の3番人気。エルコンドルパサーを押しのけて2番人気になったのが同期の外国産馬グラスワンダーだ。
 朝日杯3歳Sを圧勝して以来9ヶ月ぶりの実戦ながらもこの人気に推されたのは、『マルゼンスキーの再来』と呼ばれるほどの怪物ぶりを見せたパフォーマンスに魅了されたファンが多かったからだろう。
斤量が軽かったとはいえ、メンバーが揃った久々のレースで3.7倍の2番人気というのは異例だ。

 今まで偶然交じり合ってこなかった3頭の「主役」の初対戦を見るために13万人ものファンが集まり、GⅠレースかと思わせるような歓声が鳴り響き、98年の毎日王冠はスタートした。

「展開は分かりきっています」とアナウンサーが断言したようにサイレンススズカが逃げるが、グラスワンダーは出遅れ後方からのスタートとなる。
エルコンドルパサーはスズカをマークするように2、3番手につける。

 いつもよりも後続を突き放さずに逃げるサイレンススズカだったが、これは鞍上武豊騎手の策略。57.7秒のハイペースで逃げ、追ってくる後続の脚を使わせていたのである。
 グラスワンダーがまくって最後の直線に入ると、サイレンススズカはさらに差を拡げ先頭をひた走っていく。
エルコンドルパサーが外に出しながら必死に追うが差は詰まらない。結局、サイレンススズカが名立たる若駒に影を踏ませず勝利。それを追ったエルコンドルパサーが2着。久々が響いたグラスワンダーは5着だった。

 しかし、物語はここで終わらない。
サイレンススズカは秋の天皇賞で予後不良、安楽死処分となり彼の本当の強さを知ることができなくなってしまった。

それでも、その後エルコンドルパサーがジャパンカップを、グラスワンダーが有馬記念を勝利し彼の強さを証明した。

 この3頭が再び対決することは無かったが、それぞれの道で競馬界を盛り上げていくことになる。

別々の道を歩んできた馬が、別々の道を歩むときに一つの点となったといえるのがこの毎日王冠だろう。
偶然の巡り合せから、必然の名レースが生まれた。競馬界の特異点ともいえる伝説のレースである。

実際のレース映像はこちら

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