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ポケうまコラム
2015年札幌日経OP
2021-08-09

毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
JRA史上最長となる5年3ヶ月ぶりの勝利をもたらした【2015年札幌日経OP】を紹介します。

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軸馬が出遅れたら、馬券購入者は悲鳴をあげ、中には罵声を浴びせる人もいるだろう。
よほど強い馬で無ければ馬券は紙くずになり、ただぼんやりとレースの行く末を見届けるしかない。
金銭的にも心理的にも地の底へ叩き落されるのだから、恨み節の一つや二つ出てしまうのも無理はない。

 しかし、憎さ余って可愛さが増すのだろうか、それが愛嬌になってくる馬がいる。あまりにも出遅ればかりで、出遅れなければ歓声があがる馬。ペルーサが、まさにそんな馬だった。
 ペルーサはエイシンフラッシュやヴィクトワールピサたちと共に2010年クラシック界を盛り上げた1頭だ。
社台ファーム生産、名門藤沢厩舎所属のエリートで、デビューから破竹の4連勝で青葉賞を制して日本ダービーへと乗り込んだ。

 だが、2番人気に推されたダービーで痛恨の出遅れ。6着に敗れてから徐々に歯車が狂い始める。
 次走の毎日王冠でも出遅れ5着。秋の天皇賞は出遅れながらも2着に入るなど、ペルーサの力が本物なのはファンも理解していたが、ジャパンカップではアナウンサーに『やっぱり出遅れてしまった』と言われるほど致命的に出遅れてしまい5着に敗退。

 こうして期待を裏切りつつも、きっちりと毎回出遅れ、毎回好走するペルーサの姿に魅了されるファンが後を絶たず、『愛され馬』としての地位を確立して行った。

 出遅れ癖が若干改善した4歳でも微負け癖は直らず、5歳時には白富士S(OP)にも出走。
ようやく勝つときが来たか、とファンは1.4倍に支持したがまさかの2着敗戦。ファンの期待を裏切りながらも応える形となった。
 5歳秋以降は故障で戦線離脱。復帰は1年6ヶ月後、7歳での白富士Sだったが出遅れ癖も再発し見せ場無く敗戦。
復帰以降8連敗。アナウンサーがペルーサの出遅れにコメントしなくなった頃、気付けば8歳になっていた。

 そんな彼が次のレースに選んだのは札幌日経オープン。
ファンはもうペルーサが走る姿を見るだけで満足していたが、鞍上にルメール騎手を用意していたことを考えると陣営は本気で勝つ自信があったのだろう。

 今までの反動か好スタートを切ったペルーサは二番手を追走。この時点で『もしかしたら…』と胸が熱くなるファンもいたが、本当に驚いたのはそれからだった。
1周目の正面スタンド前で先頭を走るタマモベストプレイを抜き去り、あろうことか逃げの手に出たのだ。後続を3馬身離して逃げるペルーサを見て、競馬ファンの誰もが度肝を抜かれた。

 徐々に差は縮まり最後の直線ではタマモベストプレイに1馬身差まで迫られるが、どれだけ追ってもそれ以上差は詰まらない。
徐々に大きくなる歓声に力を貰っているかのように先頭を走り続けたペルーサは、1着でゴールを駆け抜けた。

 JRA史上最長となる5年3ヶ月ぶりの勝利、さらに札幌2600メートルのレコード更新と言うおまけ付き。
しかし、ファンはただの数字でしかない記録よりも、ペルーサが勝ったという事実に熱狂した。
出遅れても負けても愛され続けた馬が、5年越しの勝利をプレゼントしてくれた。諦めたらダメだ、そう教えてもらえるような、忘れられない名レースだ。

 

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