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ポケうまコラム
2015年宝塚記念
2021-07-05

毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
断然人気のゴールドシップがまさかの敗走!?【2015年宝塚記念】を紹介します。

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 競馬はギャンブルだ。
 いや、スポーツだ。
 いや、投資だ。

 様々な解釈がある競馬という興行であるが、ゴールドシップが出走するレースに限っては『競馬はギャンブルだ』と断言せざるを得ない。
 重賞で1倍台に支持されること実に9回。うち、勝利できたのは4回。うち、馬券外に飛んだのが4回。
 やる気なく後方を追走しそのままゴールすることもあれば、スタートと同時に先行してそのまま押し切って勝ってしまったりする。
 いつ走るか分からない『気分屋』と形容するしかない彼の姿に多くのファンは困惑し、そして興奮した。

   そんなゴールドシップというキャラクターの集大成ともいえるのが、2015年の宝塚記念だろう。
 この年6歳になっていたゴールドシップは春の天皇賞を三度目の正直で勝利したものの、レースを遅延させるほどゲート入りを拒み気性の荒さを改めて露呈。
不安要素を払拭できないまま、同一GⅠ3連覇という大偉業を賭けて宝塚記念へと乗り込んできた。

 それでも、ファンは彼を1.9倍の1番人気に支持。彼がまともに走ってくれることに、多くの人間がベットしたことになる。
 一番強いのは分かっている。問題は、やる気をだしてくれるかどうかだ……。

 ファンに祈られながら、ゲートインがスタートする。
15番枠であったが、天皇賞でゲート難を見せたため目隠しをして最初にゲートに入れられる。
 問題なく、それは終わった。
呆気なさ過ぎて、逆にやる気を失っているのではないかと心配したファンもいたほどだ。最も懸念されていたゲート入りが無事終わり、発走するだけ。あとは、馬群についていけるかどうか……。
ほとんどの人間が、そう思っていた

。  全馬ゲートイン完了後、それは起きた。
 隣の馬が興奮し、それにつられてゴールドシップも落ち着きをなくして立ち上がるほど暴れまわる。いったん落ち着いて鞍上の横山騎手が大丈夫だと合図を送った瞬間、ゲートは開いた。各馬一斉にスタートする。
だが、ファンの目に飛び込んできたのは、開いたゲートの中で再び立ち上がってしまった葦毛の暴れん坊の姿だった。
 10馬身以上の出遅れ。走ってはいるものの、馬券内は絶望的だ。ゴールを迎えることなく、ゴールドシップ関連の約120億円分の馬券は紙屑と化した。

 普通なら罵声が浴びせられる大事件にも関わらず、多くのファンは『ゴールドシップなら仕方ない』と笑って許していた。
 結局、15着惨敗。ゴールドシップが徴収した『見物料』はあまりにも高額だったが、後世にまで語り継げる事件だと思えば今となっては安いものか。
 競馬には何があるか分からない。それをまざまざと思い知らせてくれた、伝説のレースである。

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