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ポケうまコラム
2019年天皇賞春
2021-05-17

毎週月曜日はレジェンドレース回顧録!
伝説的なレースを紹介するこのコンテンツ。
記念すべき一回目は「平成最後のGI」となった【2019年天皇賞春】を紹介します。

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 2019年4月28日、平成から令和へと変わるカウントダウンが始まった頃、京都競馬場で春の天皇賞が開催された。1番人気は後のGⅠ3勝馬フィエールマン。今では考えられないが、「信頼できない」1番人気だと言われていた。ディープインパクト産駒は春の天皇賞を勝てない、そんなジンクスが囁かれていたからだ。キズナ、サトノダイヤモンドなどの有力馬が過去に敗戦。菊花賞を勝ったフィエールマンでも、瞬発力を活かしたレース内容から長距離適正を疑問視されていた。

 それでも、1番人気だったのには理由がある。

 シャケトラという馬の存在だ。

 AJCCでフィエールマンを破り、阪神大賞典では5馬身差の圧勝。ダントツの1番人気が確実視されたレースの前週、シャケトラは調教中の故障で天国に旅立った。

 シャケトラの強さを証明して欲しいファンの強い思いが込められ、フィエールマンは1番人気の重圧を背負うことになる。

 AJCCでは、先に抜け出したシャケトラをフィエールマンが外から追い込む展開。壮絶な叩き合いになるが、差は詰まらない。どこまで行っても届かない、アタマ差の決着だった。

 フィエールマンが負けたら、シャケトラの名も傷つく。

 そんなことにはさせない。

 平成最後のGⅠがスタートする。フィエールマンは出負けして後方からの競馬になるも徐々に押し上げて直線入り口で先頭。しかし、すぐ後方から後に香港GⅠ馬となるグローリーヴェイズが追って来る。約400メートル、20秒以上にも及ぶ壮絶な叩き合いの末生まれた、2頭が抜け出す完全なマッチレース。

まるで、AJCCを再現するかのような展開でグローリーヴェイズを完封した。シャケトラから託された強者の証明を、お手本通りにやってのけた。シャケトラのためにも負けられない、そんな気迫に満ちたレースだった。

結局、ディープ産駒のワンツーフィニッシュ。父の不名誉なジンクスを破り、新たな名勝負が生まれた。

 フィエールマンは、今年から種牡馬になる。時が経つにつれ、フィエールマンを父親の名として知る人が増えるだろう。その人たちが2019年の春の天皇賞を観るとき、若き日の名馬のマッチレースとしてだけでなく、こんなドラマがあったということも知っていて欲しい。

 名馬2頭の叩き合いの中にシャケトラの姿を見出す、語り継ぐべき名勝負だ。

実際のレース映像はこちら

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